岡山/倉敷で住宅の設計・監理をしている-建築家 宇川民夫が主宰する-建築設計事務所の宇川建築計画事務所の「住宅のリフォーム」専門のホームページです。耐震性・省エネ性を重視した住宅のリフォームの実例を詳しく紹介します。

住宅の耐震リフォームの実例


 

住宅の耐震性向上とリフォームの実例

数年前に新築住宅の設計をさせて頂いたお施主さんのご依頼で、遠方に住まれているご両親の住宅をリフォームさせてもらいました。

建物は戦後すぐに建てられ増改築を重ねた木造店舗付住宅です。

建物の耐震性に不安があり急で狭い階段と暗くて細い廊下で母親が怪我を機に、高齢になるご両親が安心して暮らせるようにリフォームすることを決意され、住宅の調査、リフォーム計画から建設会社の選定、設計、見積徴収と工事金額調整、隣県に監理をしました。

 

まず初めにご希望のリフォーム内容を伺い、現在の建物の図面が残っていないので、現地調査と測量を行い現況図面を作成することから始まります。

現況平面図

作成した既存住宅の図面
作成した既存住宅の図面

 

<リフォームのご要望>

・可能な限り耐震性を持たす

・勾配がゆるく、光の入る安全な階段を設ける。

・廊下幅を広くし、段差のないバリアフリーにする

・洗面脱衣室を広くし、浴室もゆったりしたサイズの浴槽に変更する。

・1階土間部分に団欒できるスペースを確保し、日の入る窓や避難できるドアを新設する

・システムキッチンを入れ替え、IHヒーター式に変更する。

・既存窓サッシのガラスをシングルからペアガラスへ入れ替え、断熱性を上げる

・解体する工事部分の床、外壁、天井には断熱材を可能な限り充填し断熱性を上げる

・床、壁、天井の仕上げ材を張り替える。

・使いやすい位置に1階にもトイレを設ける。

・傷みが激しかった金属屋根を修復(カバー工法)する。

・1階の外壁を塗り替える。

・店舗のシャッターを入れ替える。

・水周りなどの設備機器、電気設備は新しくする。 

・1階の店舗部分は開店しながら工事を進める。     ・・・・などなど

 

上記のようなご要望を元に、リフォームの計画がスタートしました。

 

リフォーム平面図

1981年(昭和56年6月1日)以前に建てられた木造住宅のほとんどは、建築基準法で定めた新耐震基準を満たしていないので、早めに耐震補強が望まれます。

リフォームの計画・設計を進めるに当たり、耐震性の状況を確認する現状調査を行い、暮らしやすいリフォームの提案とともに、耐震補強の方法も提案しました。

解体の状況

まず初めに不用品を処分し壁・天井から解体します。


 

↑上記 左の写真:以前建物を改修した時に設置された効果のない筋交いを発見ー本来入るべき位置ではない壁の中間に筋交いが付けられ、金物接合もないため、耐震性は期待できません。

↑上記右の写真:以前の改修により切断されていた柱を発見ー地震が来ると危険な状況です。

解体が進むと、効果のない筋交いや、危険な柱・梁の位置・サイズ・留め方を確認し、補強計画を再検討し、耐震性を確保します。

  


 

既存の内壁や柱を解体撤去する時には、崩壊の危険性も考慮して支柱によって既存の梁を支え、安全性を確保しながら慎重に工事を進めます。

ある程度内部の解体が終わり、既存の柱や梁のサイズ・位置を確認できる状況になると、既存の柱や梁の位置をリフォームの設計図と照合し、柱梁の補強、耐震壁を再確認し補強方法を再検討します

・梁桁材の位置の不足・サイズが細く接合金物がない

・柱の本数が不足し火打梁もがない 

事前に調査や実測し耐震計画・設計していても、既存部分を解体をしてみると、隠れていた部分では予想できない箇所も見つかります。

 


解体が進むと、作成しているリフォーム設計図を元に、現場で既存の柱や梁の状況を再調査し確認します。

耐震補強状況

基礎と土台の補強
基礎と土台の補強
弱い基礎は新しく基礎を沿わす
弱い基礎は新しく基礎を沿わす

 

既存の基礎の強度不足のため、基礎に沿わせて新たに鉄筋コンクリートの基礎を打ちます。

腐食した土台は新しい土台に入れ替え、アンカーボルトで基礎としっかり固定します。

既存の土台でアンカーボルトの不足している箇所は、基礎にケミカルアンカーを打ち、土台をアンカーボルトで固定します。

 


 

↑上記左の写真:以前の改修により切断されていた柱を発見ー地震が来ると危険な状況です。

新たに柱を挿入します。土台と柱、柱と梁は改修用接合金物で繋ぎます。ー下右図参照

 

ホールダウン金物の設置
ホールダウン金物の設置
土台と柱の接合
土台と柱の接合

 

必要な箇所には、地震時に柱が土台から浮き上がるのを防ぐため、基礎に埋め込んだホールダウン金物柱を頑丈に固定します。

地震の上下動の揺れで、柱が土台から浮き上がるのを防止することが耐震性を発揮する上で重要です。

 

既存の梁で細くて強度不足の部分や梁桁が欠落している部分、新たに床や壁を設ける箇所には、専用の梁受金物を使用して、新しく梁を入れて補強します。

 

↑柱と梁の接合部には新たにコーナー金物を取り付けることで、接合部の補強を図ります。

↑梁と梁のコーナー部分には火打ち金物を新たに追加して、水平剛性を高めます。



 

小屋部分の梁桁材は貧弱で、接合金物がない状態でした。そこで、サイズ不足の梁には新しい梁を沿わせて梁を追加し、羽子板金物で既存梁は固定します。柱が不足している箇所は柱を新たに設け補強します。

 

耐力壁の設置




 

古い建物のリフォームでは耐震性を高めるには、必要となる耐力壁を計算し、筋交いなどで耐力壁を配置計画することが重要になります。

今回のリフォームでは、隣地側の外壁部やリフォームしない既存の部屋の内壁には、新たに筋交いを設けることができない箇所が多いので、柱・梁の上から貼る耐震ボードで耐力壁を確保します。

吉野石膏タイガーグラスロック耐震壁工法 :タイガーグラスロック耐震壁はタイガーグラスロック(厚さ12.5mm)を用いた耐震リフォーム専用の耐震壁下地ボード

 

下地・設備工事


 

住宅内部からサッシュなどの外気に面する開口部から48%の熱が逃げていきます

既存サッシュはペアガラス用アッチメントを付けて、単板ガラスからペアガラスに取替え、開口部の断熱性を高めます

 


 

築年数が古いので、電気配線や給排水管などと設備機器も新しく入れ替えます。

 

外壁の塗り替え

新しいモルタル下地をつくる、サッシュ周りは防水テープを貼ります
新しいモルタル下地をつくる、サッシュ周りは防水テープを貼ります
サッシュのコーナーはモルタルが割れないように、ラスを重張する
サッシュのコーナーはモルタルが割れないように、ラスを重張する

既存モルタル部の外壁は、クラックの発生に対応できるリフォーム専用の工法を採用します。

ースズカファイン㈱外壁塗変システム リメークシステムを採用

 

始めに既存外壁モルタル部分を高圧洗浄し、クラック箇所はに専用材を充填して補修します。

解体した外壁や新しく設けた外壁は、クラックの出ないノンクラックモルタルで下地をつくります。

その上からリフォーム用弾性塗装を吹付けます。

リフォームに適するリフォーム用吹付塗装の特徴
・ 弾性があるーその後の壁にクラックが出ても追従してくれる
・ 工期が短い
・ 防カビ性・防藻性がある
・ 低汚染性であるー汚れにくい
・ 透湿性ー壁内部の湿気を外部に出せる
コストはかかるが、リフォーム工事ではこうした機能がある塗装を選びます。

屋根の補修

<補修前>

<補修後>


 

塗装の剥がれた金属屋根は葺替えました。

既設の瓦棒葺屋根やスレート屋根が老朽化して葺替えを要する場合、既設の屋根を撤去せず、

その上から新しく金属屋根を葺く工法ー既設屋根のリフォームのカバー工法を採用。

 

既設屋根の撤去費用が不要で、廃棄物も出ず、工事期間も短縮できるといったメリットがあります。

完成写真

新築のようにきれいに仕上がりました。





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