岡山/倉敷で住宅の設計・監理をしている-建築家 宇川民夫が主宰する-建築設計事務所の宇川建築計画事務所の「住宅のリフォーム」専門のホームページです。住宅をリフォームする動機はさまざまですが、新築と違いリフォームでは大切になる考え方を紹介します。

住宅のリフォームの考え方

 これまでの日本の住宅の寿命は27年と短く、アメリカの住宅の寿命44年、イギリスの75年と比較して、一世代限りの消費型住宅といえます。住宅を約30年の短さで解体廃棄すると、限りある資源の無駄使いや環境破壊にもつながります。

 平成18年6月、住生活基本法の制定により、日本はつくっては壊す」フロー消費型の社会から、「いいものをつくって、きちんと手入れをして、長く大切に使う」ストック重視の住宅政策へ転換が図られました。

また、平成21年、新築における長期優良住宅の促進にあっては、新築住宅をきちんとメンテナンスすると共に、長期的視点からリフォームによって住宅の長寿命を図ることとされています。

 

 

 これからは、単に住宅を建替えという選択だけではなく、いま住んでいる住宅に愛着を持ち、世代を超えて長く住める方法としてのリフォームも考えてみてはいかがでしょうか。

 最近は、若いご夫婦の方が程度の良い中古住宅を購入され、リフォームをされ新居とされる方も増えてきました。そうした際には購入前に同行し住宅の状況を拝見します。

 

畑付き広い宅地と手の込んだ和風住宅
畑付き広い宅地と手の込んだ和風住宅
手入れの行き届いた庭と数奇屋門
手入れの行き届いた庭と数奇屋門
床の傾斜のチェック
床の傾斜のチェック

購入された動機

・畑のある住宅2軒分の広い敷地と手の込んだ数奇屋風和風住宅である。

・数奇屋門や塀、和風庭園も手入れがされていた。

・施工時の図面が残っており、内装の状況も破損がなく良い。

・売り価格も手頃で、リフォームの予算も取れそう、新築にするととてもこの内容の住宅建設は不可能。

などなど により購入を決められ、購入した中古住宅をリフォームをしました。

 

リフォームをするとインテリアは新築のようになります。

新築よりコストは安くできます。

 

築20年になると、トイレや浴室、キッチンなどの設備機器や給排水設備は取替が多いです。

外壁も吹き替えなども行います。

こうしたリフォームをすると、新築住宅のようになります。 

 

また、和風デザインの住宅をモダンな住宅に変身も可能です。

 

明るくなったキッチンとダイニング
明るくなったキッチンとダイニング
モダンな和のデザインのリビング
モダンな和のデザインのリビング
庭の見える浴室
庭の見える浴室

   

リフォームのタイミングにはふたつの考え方があります。

  

ライフステージやライフスタイルに変化があったとき。

◆老朽化に伴い、これからも住めるようにするとき。

 

 ひとつは、ライフステージやライフスタイルの変化など、住まう人の状況が変わったとき。もうひとつは、機能低下により家そのものの老朽化に伴うものです。具体的には内壁や外壁が汚くなった、屋根が傷んできた、設備機器類が古くなった、などが例として挙げられます。

 

後者の理由をきっかけに本格的なリフォームを行おうとする人も多いでしょう。ここでは家の各部がどのくらいの年数で傷んでくるのかを説明しましょう。

 

屋根の瓦 ・・・・・・台風の後は、ずれや割れがないか確認しましょう。通常は5年ご    

           と点検。

           いぶし瓦・・50年以上の耐久性がありますが、時には20―3 

                 0年で葺き替えになるときあります。

           セメント瓦・スレート瓦・・いぶし瓦より耐久性は下がり、

                        15―30年で葺き替えになりま 

                        す。

金属の屋根・・・・・カラー鉄板はサビや変色があれば再塗装必要です。長くても

          10年後は塗装が望ましい。

           メンテナンスをすれば寿命は長くなります。

           最近多く使われる、亜鉛とアルミを表面にメッキしたガルバニュウム鋼板

           やフッ素塗装を焼付けた鋼板の耐久性は20年以上と言われています。

           再塗装をすると耐用年数は長くなります。

樋・・・・・・・・・・日常は落ち葉などの詰まりがないか点検しましょう。塩ビの樋の寿命は

           15―20年ぐらい。

外壁のモルタル・・・・ヒビを発見したら早めに補修をすすめます。特に巾0.3mm以上のヒ

           ビの場合、壁内部の濾水の原因になるので、シーリングを打つ必要あ

           ります。10―20年の間には仕上材の全面吹替えも必要です。

外壁のサイディング・・5年後からシーリング劣化がすすみ、10年後にはシーリングの

           全面打直しが必要になります。また、10―15年後にはトップ

           コートの再塗装も必要です。

外壁の板張り・・・・・約5年ごとに板の状況を点検しましょう。劣化が見られる場合こまめに

           再塗装します。耐久性は15―20年ぐらいです。

 

床、柱、梁などの構造部・・・・シロアリなどの害虫被害のある場合、常に雨漏りのあ

               る場合は構造の劣化がすすんでいますので、早急に直します。

   

内装のクロス等・・・・内部仕上については趣味思考があるので、取替え時期は個人差があり

           ます。クロスの場合早い方で10年ぐらいで張替えますが、15―20

           年で張り替えているでしょう。

建具・・・・・・・・・アルミサッシュの耐久性は20―30年ありますが、不具合があれば

           補修、取替 えをします。

           外部木製建具はこまめに確認し、不具合あれば早急に手直しを。

設備機器・・・・・・・トイレ・キッチン・風呂などの水廻りの設備は15―25年の間で

           取替えが 多いです。

           最近は便利な機能のある新商品も次々出るので、リフォームと言 えば、

           こうした機器の取替え希望が多く、費用はかさばります。

 

 木造住宅の耐震性について定めた、建築基準法は昭和53年の宮城地震の後1981年昭和56年に大改正され新耐震設計基準が設けられました。この法律以前の住宅については、地震の時に安全かどうか構造面の検証をして、柱・梁の構造補強が必要です。  

 

解体後の構造調査
解体後の構造調査
柱の追加や梁桁の補強
柱の追加や梁桁の補強
柱を増やす
柱を増やす

 

 その後、平成7年の阪神・淡路大震災ののち2000年平成12年に基礎の仕様、柱梁の接合金物の検証、耐力壁のバランスの検証などについて法律改正されました。この法律が適用された以後の住宅の耐震性は安全といえるでしょう。

 

 1981年から2000年の間に建てられた住宅については、専門家の構造の調査をしてもらい、現在の基準に照らし合わせて、必要ケ所は構造補強をおすすめします。

 

 


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