岡山/倉敷で住宅の設計・監理をしている-建築家 宇川民夫が主宰する-建築設計事務所の宇川建築計画事務所の「住宅のリフォーム」専門のホームページです。住宅のリフォームでは、住宅の基礎や筋交いなどを調べて住宅の強さを確認し、地震に備えて構造補強をすることが大切です。

リフォームする住宅の構造について


手軽な印象があるリフォームですが、工事の規模が大きくなれば簡単にはできません。

建築家から見たその難しさを中心に説明しましょう。

 

 テレビ番組のブームにより、「リフォーム流行」ともいえます。リフォーム番組を見ると短時間に、簡単に出来そうに見えますが、あくまであれはテレビ番組として、丹念に時間をかけてプロデュースしています。

 

 通常、依頼者がリフォーム依頼されてから工事完成まで、「どんな住宅になるか知らない」となると、完成後は苦情が噴出すると推測します。時には、不要な個所を解体され、残された細い軸組みだけを見ると、構造面に不安を覚えるケースも見受けられます。リフォーム番組でなければ、柱梁をすべて新築した方が安く、構造的には安全であるケースもあります。

  

しかしながら、こうした番組の影響もあり、最近はリフォーム業者の数も急激に増えてきました。新築と違って特別な資格などを必要としない工事が多いことも、その理由のひとつでしょう。しかし、工事内容は決して新築よりも簡単だというわけではありません。

もちろん、ちょっとした模様替え程度のリフォームなら、DIYでもできる範囲の場合、決して難しい作業ではないこともあります。

 

 リフォーム工事が大規模になればなるほど工事は難しくなり、構造体に手を加えるとなると、これは建築的な知識、特に構造を理解していないとプランを立てることができません。

 

ー建築家から見て、リフォーム工事は難しいという理由ー

 

現況把握が難しく手間がかかる

 既存の建物がどういうものなのかを把握しておかないと、改修も改装もできません。確認申請図書類や竣工図、施工図などがあれば手間はかなり省けますが、多くの場合はそろっていません。図面がなければ面積さえ分からないので、実測からスタートすることになります。

 

 柱、梁、筋交い、土台といった構造部分はもちろん、配管や配線もチェックする必要があります。改修や改装がたとえ建物の一部分だとしても、構造が絡む場合は全体のバランスも大切です。構造に関しては建物すべてについて知る必要があります。

 

劣化状況の確認が必要

既存建物の図面があり、柱や梁のサイズが分かったとしても、経年変化などによる老朽化についても検討しなければなりません。劣化状況といっても、建物のおかれていた環境などによってその度合いは大幅に変わります。まず目視でチェックし、対象によっては一部壊して確認することもあります。

 

実際に作業をする業者、すなわち工務店や大工さんにとっても、大規模なリフォームは難しいものです。家を一から造ることだって簡単ではないのに、他人が造った既存の家に手を加えなければならないからです。家はプラモデルのような規格品ではなく、現場で造られるものですからなおさらです。   

 

構造体に手を加える工事は難しい

 既存の建物を生かす、ということは、できるかぎり基礎や柱、梁といった構造、構法にあまり手を加えなくて補強などにより再構築することといえます。既存の建物の構造や構法によっては、できることに制約がある場合があります。時には、不可能ではないけれども非常に難しく、経済的にも、リフォームの効果としても、あまりおすすめできないことがあります。

 

 構造や構法自体を完全に変更する場合は、リフォームの範疇を超えた工事になります。



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